ブエノスアイレス

2014年2月11日 (火)

ネタの宝庫:アルゼンチンについて

メキシコ人は陽気だなと思う。

Party001

2ヶ月ぶりに会っても、みんな声をかけてくれて、大歓迎をしてくれる。
正直、ブエノスアイレスに2年も住んでもこれだけ多くの人と親しくはならなかった。

まあ、なんだかみんな丸くてずんぐりむっくりしているけど、いい人たちだ。
(逆にこっちが2m近い巨人だから、珍獣扱いされて、よくしてくれているのかもしれないが・・・・)

アルゼンチンからやってくると、やはりすべてがまともな国だと思う。

新聞やニュースで見るメキシコは麻薬や殺人事件ばかりだが、それもほとんどがアメリカとの国境、あるいはマフィアがらみの事件で、一般市民には関係がない。

レストランに入ったら、何も言わずにメニューが出てくるし、サービスのクオリティーは高い。アルゼンチンでは、レストランに入ったらなぜか機嫌の悪いウェイトレスを相手に、こちらが接待しないといけない場合もある。
(ちなみに年を取っているウェイターさんだったら、きちんとしたサービスを受けられる場合が多い)

もちろん、日本と比べれば治安は悪いので油断は出来ない。
だが、どのメキシコ人と話しても、みんなこの国の未来に希望を持っている。

おそらく、そこがアルゼンチンとの最大の違いだろう。
アルゼンチン人があんなに働く意欲がないのは、高いインフレで「働いてもしょうがない」という諦めと、いつも「来年にはまた財政破綻する」というある種の絶望感を背負っていることもあるかもしれない。

ただ多くの人を見ていると、単純に勤労意欲がないだけに見える。

アルゼンチンで今、一生懸命に働いている人は、おそらく仕事が好きか、あるいはそこにやりがいを見出しているかのどちらかなので、たとえばベーシックインカムなどが導入されても、彼らはきっちりと働き続けるのだろう。
(つまりはお金目当てで働く人は少ないということだ)

そう考えると、「ベーシックインカムが導入されたら、誰も働くことはなくなる」というのはただの杞憂なのかもしれない。

アルゼンチンはそういう意味では世界最先端の経済政策を実行しているのかもしれない・・・・・あとは富裕層の金を取り上げて、全国民に配ればベーシックインカムの完成だ。
(アルゼンチンの人口の1%ぐらいはとんでもない金持ちなので、彼らの金で全国民の生活くらい保証できるだろう。相続税がないから、どうせ彼らもただ親の遺産で金持ちになっているだけだし)

アルゼンチンにいたときによくメキシコのことを訊かれたが、いつもメキシコのことは絶賛していた。そして、逆にメキシコに来て、アルゼンチンのことを訊かれたら、けっこうな笑いの種にしてしまっている。

褒めるところはタンゴと、美男美女が多いことくらいか。
よく肉がうまいというが、日本の焼き肉や神戸牛のほうが100倍うまいから、残念だ。

でも、なんというかアルゼンチンはネタの宝庫なので、話すことが尽きない。
みんな興味津々で訊いてくるし・・・・・とりあえず、タンゴを国の柱として今後も頑張っていくしかないのではないだろうか。

メキシコと全く違う意味で、アルゼンチンは目が離せない国だ。

バス氏はアルゼンチン債有望視、ローラーコースター200年でも

名うてのヘッジファンド運用者が今後はアルゼンチンは有望と言っている。シナリオとして考えられるのは、アメリカが財政破綻して、次いで日本もヨーロッパもやられたときに、残るは南米を中心とした反米の国だろう。

今のアルゼンチンの輸入規制を考えれば、世界中が財政破綻をしても、あまり関係はない。それにドルが下がれば借金は帳消しになるし。

結局、アルゼンチンが這い上がるのは、そういうシナリオしかないのだろうなとは思っている。今、世界で一番財政破綻しそうなのはアメリカなので、あながちないシナリオとは言えない。

そうなっても、きっと外資に根こそぎ持って行かれるだろうけど。ただ外資がきちんとアルゼンチンという国に投資すれば、インフラも整って、住みやすい国になるかもしれない。

アルゼンチンのことを考えると、妄想は尽きることはない。
ああ、なんて突っ込みどころ満載な国なのだろうか。

アルゼンチンと関係を持つと、世界経済の仕組みを考えざる得ないので、とても勉強になることは確かだ。これからもただでは起きないように、じっくりと観察をしながら、どんなことが起きても対応していきたいと思っている。

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2014年2月 3日 (月)

タンゴとブエノスアイレス、それにシャンパンについて

優雅さはなんだろうと思う。

ブエノスアイレスに来て、2ヶ月近く、アンドレスとその奥さんのグループレッスンに週2−3回通っていた。値段は一回につき300円というあり得ないほどリーズナブルな価格だ。

ビデオではよくわからないが、このアンドレスというおっさんは実際見ると、ちょっとお腹が出ている小太りなおっさんだ。だが、踊ると100倍かっこよく見える。そのステップひとつひとつが、かっこいい。

よくタンゴの先生は「ステップは重要ではない」というが、実際そのとおりだ。ステップの動き自体はそのひとつのひとつの動きの質を高める難しさに比べれば、簡単だ。

時々、「ステップは重要でない」ということを額面通りに受け取って、ステップを覚えようとしないタンゴ馬鹿がいるが、それは違う。ステップの動きそのものより、その動きひとつひとつのクオリティーを高めろということであって、ステップを覚えるなんてことは基礎中の基礎だ。

ちなみにグループレッスンに行って、先生の見本を見て、そのステップをすぐに覚えてこなせるようになるまでに2年ほどかかった。タンゴ道の先は長い。
(まあ、形だけでも覚えるのは、それなりに大変だ。同じクラスのご年配の方々のほとんどはそこで止まっている・・・・)

Hernan_flor

そして、この二人にも世話になった。あまり知らなかったが、2008年の世界タンゴ選手権で準優勝しているらしい。どうりでめちゃくちゃ優雅で上手いわけだ(今更だが・・・・)

しかし、その世界水準でいつも指導されるので、その要求の高さは半端ない。メキシコ行っても、毎日練習しろと言われている・・・・一体、何を目指しているのか自分でも疑問だ。

そんな二人を自宅に呼びつけて、プライベートレッスンをいくつか取った。
(ちなみにそれでも3000円程度だ・・・・ブエノスアイレス、タンゴに関しては価格破壊だ)

時々、「タンゴを習ってどれくらいか?」とあまり意味のない質問を受けるが、ブエノスアイレスでタンゴを習うとの、ほかの国でタンゴを習うのとでは、質も量も圧倒的に違う。ブエノスアイレスには世界チャンピオンクラスの先生が溢れている。
(たいてい彼らはヨーロッパにお呼ばれするので、一年の大半はブエノスアイレスにいないけど。彼ら二人も3月からはデンマークに行くらしい。それでもうまくタイミングが合えば密度の濃いレッスンがたくさん取れる)

ブエノスアイレスはタンゴ天国だ。
そこだけは本当に質と量共に世界一だろう。

ほかがダメなだけに、そこが際立つ。

たぶん起業と同じで、何事もゼロから始めるのが好きなのだろう。
そして、どんどん自分なりに向上することに快感を覚える。そのために自分に合った適度な負荷をかけるようにして、少しづつ向上させていく。そのプランを考えるのも楽しい。

仕事も大切だが、プライベートでも、何かひとつそのようなものを持っていると生活に張りが出る。別にプロを目指す必要はない。自分が到達出来る最高地点を目指せばいい。そのためにどうするかを考えるのはとても楽しい。

Medialunas

そんなエルナンとフロールに呼ばれてミロンガをはしごして、最終的にはLa Virtaというところに行ってきた。ここは毎日深夜3時を過ぎると入場料が無料になるので、それ以降に行くと、先生クラスの人たちがわんさかいるというところだ。
(まあ、元々入場料は500円くらいだけど・・・・)

今回のブエノスアイレス滞在、最後の週末ということで、シャンパンを注文した。そして、深夜4時になると出来立てのメディアルナス(クロワッサンの小さいやつ)が注文出来る。

シャンパンとクロワッサン。
ブエノスアイレスにしか存在しないであろう組み合わせだ。

そして、朝6時に解散となった。
まったくのシラフで朝帰りするなんてことは、日本では考えられないが、ブエノスアイレスではそれが普通だ。

結局、夜の18時から踊り始めて、ミロンガを3つはしごして、朝の6時になってしまった。こんなことはもう当分やらないと思う。

メキシコに行ったら、また違う生活が待っているだろう。
それはそれで楽しみだし、ブエノスアイレスに離れがたい魅力を感じてるのも事実だ。

これからのどうなるか分からないが、タンゴをしに、この地に舞い戻ってくることは確実だろう。その日が今から待ち遠しい。

※アンドレス先生のクラスは毎週火曜日と金曜日の夜7時半から9時半にCarlos Calvo 3745で行われています。フロールとエルナンのFACEBOOKはこちらから。そこでグループレッスンの最新情報が更新されています。


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2014年1月29日 (水)

ブエノスアイレスのとある雨が降る一日より

ブエノスアイレスは昨晩から雨が降っている。
たいてい夜だけ降って朝には上がっているのだが、今日はいまだに雨が降っている。

雨が降ると予定が変わる。
多くの人は雨の日の外出は億劫となるので、予定はキャンセルされ、またキャンセルされなくても、大幅な遅れとなる。

急いで行こうと思っても雨の日はタクシーは捕まらず、電話しても40分待ちなどざらにある。

日本では雨が降ろうが、槍が降ろうが、予定は予定できちんと消化されるが、この国ではそんなことはない。元々、雨が降らなくても予定は変更されたり、忘れられたり、直前になってキャンセルされたりする国だ、

このあいだも「お掃除の人」に来てもらおうと、2回ほど呼んだが、2回ともなんの通達もなくキャンセルされた。
(ここアルゼンチンでは、掃除の人を雇っても、1回1000円くらいにしかならないので外国人は基本的にみんな誰かしら雇っている)

来なければ、仕方がないので、結局自分で掃除しているのだが、男3人もいるので、なかなか男臭は取れない。

そして、ここブエノスアイレスの滞在も残すところ、あと一週間。
本当にあっという間だった。

この国は生活するだけで、時間が経過するので、いつも色々と「何かやるべきこと」を抱えることになり、忙しく立ちまわることになる。それでも、それはそれで楽しい。

このあいだも、今家に居候しているマイクが買ってきたコンセプトのアダプターを挿したら、火花が上がった。火花というかかなり盛大な火があがった。

Internationalactraveladaptor2
(こんな感じのアダプターが街中のいたるところで売っている)

ちょうどテレビの裏にあるコンセントに挿したので、そこにはテレビ、インターネットのモデム、それにオーディオなど重要な電子機器が置いてある。

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(このテレビの裏にあるコンセントが火花があがった現場です・・・・あれはすごかった)

特にインターネットのモデムが死ぬと、当然インターネットが使えなくなるので、慌ててマイクと二人で違うコンセントに挿したが、モデムは死んでいた。

そして、なぜか家中の電気が死んでいた。
さらに言うと、あたり一帯の電気が死んでいた。

あろうことかマイクが火花を飛ばした瞬間に、あたり一帯が停電したらしい。
マイクの仕業なのかもしれない・・・・・

まあ、さすがにそれはないだろうが、全くナイスタイミングな停電だ。
熱帯夜だったので、そのまま家にいてもしょうがないので出かけたが、あとからマイクから連絡があり、電気が戻った一瞬の隙に落ちていた家のブレーカーをあげたら、すべての電気が正常に作動したらしい。

もちろん、モデムも問題がなかった。
あれだけの火花が散ったので、てっきりコンセント全部がおかしくなったと思ったが、ブレーカーが落ちていただけらしい。

本当に助かった。
それにマイクもあやうく感電するところだったし・・・・・

ブエノスアイレスの生活は一歩間違えれば、死と隣り合わせだ。
もし、本当にコンセントが死んでいたら、当然電気屋を呼ばなくてはならなかった。

呼んでも来ない電気屋だ。
彼らを呼ぶために一体何度電話しなくてはいけないかを考えると、気が遠くなる。お金の問題よりも、そっちの問題のほうが大きい。

彼らはたいてい電話すると、「明日行くから!」と景気のいい返事はするが、当然来ない。
「いつの明日だ!」といつも思う。

そうして、来てくれた頃には、「来てくれただけでありがたい」という感じになり、その仕事に対してのクオリティーに関しては、ジャッジが甘くならざるを得ない。

幸せな国だ。
仕事に対してのストレスが全く違う。

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そうして、なんだかんだいって、テリー先生の写真が撮れた。
今までワンズワードのなかで唯一、写真すらなかった先生だ。

少なくても、ブエノスアイレスに来た甲斐はあったと言える。
そして、こうやって自分の人生への期待はどんどん縮小し、こんな小さな成功で喜ぶことになるのだろう。

時々、僕は一体この国でなにをしているのだろうと思う。
一生懸命にタンゴのレッスンを取っているが、別にそれが何かの足しなるとは思わない。

ただの趣味だ。
生活にこれほどの時間と労力をかけて、何が楽しいのだろうかとは思う。

それでも、また懲りずにこの国で生活をして、「ああだ、こうだ」と文句を言いながらも、結局のところそんな生活が気に入っているということを自覚している。

そんなこんなでブエノスアイレスの雨はやみ、太陽が雲から覗き、こうしてまた一日が過ぎ去っていく。別にそんな毎日も嫌いではない。

全く嫌いではない。
明日はまた真っ青な青空をこの街は見せてくれるだろう。

それが待ち遠しい。

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2014年1月27日 (月)

噂のアルゼンチンから・・・・・:未来に向けて

日本でもニュースになっているが、アルゼンチンペソが大暴落して、世界中で騒ぎになっている。

ここブエノスアイレスでは、「まあ、またか」程度の反応だが、明日から今までドルの購入が制限されていたのが解禁となるらしく、その詳細が明日の朝発表になるので、それに関しては皆注目している。

思えば、2ヶ月ほど前の11月末に来た時は、1ドルは9.5ペソだったのが、先週は最高で13ペソまで上がったから驚きだ。ちなみに2年前にブエノスアイレスに来た時は、1ドル6ペソを切っていたので、ドルの価値は約2倍となっている。

面白いことに、先週の金曜日に椅子を2脚買いに行ったら、店の人が「ドルが昨日からまた急に値上がりしたから、この椅子の値段も上がる」とのたまったことだ。

「関係ないだろ」と思う。
すでに作られて、そこにあるものが、なぜドルの価値が上がったから変わるのか、意味が分からない。

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(左からティム、マイク、アーチャー。テニスをしたあとのビールタイム)

そんなことはさておき、今自分のマンションにはマイクとその友人ティムが泊まっており、男3人という非常に男臭いマンションとなっている。彼らは今週からパタゴニアに行くらしいが、まだなんの予定も立てていないので、一体本当に行くのかどうか疑問だ。

ブエノスアイレスの滞在も残り10日ほどとなったので、少しさびしい気がするが、今年中にまたもう一回戻ってきたいとは思っている。その頃には今のペソ暴落騒ぎも落ち着いているだろうが、違う問題も山積みとなっているだろう。

ブエノスアイレスに住むということは、まあそんなものなので、別にもう何があってもたいして驚かない。

今日は日曜日だったので、掃除して、洗濯して、またテニスをした。
ペソが暴落しようが、ドルの購入が解禁となろうが、別に関係ない。

毎日仕事をして、タンゴを踊り、テニスをして、肉を食べて、ワインを飲む。
それが自分のブエノスアイレスの日常だ。

たぶん、明日はブエノスアイレス、ひいてはアルゼンチン全体が大騒ぎになるだろう。

なにせ、今まで全くドルが買えなかったのが、正式に買えるようになるからだ。そうなると、闇レートと公式レートの差はまたなくなり、一旦は正常化されるのだろう。ただ問題はそのあと、急激なインフレにならないようにうまくコントロール出来るかどうかだろう。
(アルゼンチンでは、ドルが広く流通しており、ペソよりも当然信用があるので、皆ドルに替えて、お金を貯めたがる。だからこそ、ドル購入がまた解禁になることは彼らにとって一大事だ)

住む国としてはアルゼンチンはどうかと思うが、観る国としてはアルゼンチンは本当に飽きない。
毎日がジェットコースターのようだ。

これからもこの国の行末を見ていきたい。


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2014年1月23日 (木)

人は人をどのように判断するのか:ブエノスアイレスにて

このところ先生の採用活動を積極的に行っており、現在もフィリピン人1名、スコットランド人1名、アメリカ人1名を研修している。
(スコットランド訛りの英語が日本でどれだけ需要があるのか疑問ですが、めちゃくちゃ良い人なので仮採用しました)

フィリピン人の場合は、現地スタッフが書類選考をして、自分が最終面接をしているのだが、その最終面接を5分ぐらいで切り上げたら、ビビられた。

「まだ話して5分くらいしか経っていないじゃない!」と言われてしまったが、今まで採用した人たちも不採用した人たちもたいていその程度の時間しかかけていない。

ぶっちゃけ、話して二言三言で、採用か不採用か決定している。
自分が書類選考をする場合は、カバーレターも目を通すので、その時点で合否が決定している場合も多い。(それでもスカイプ面接するのはその確認作業だ)

ニューヨーカーのコラムニストだったマルコム・グラッドウェルが書いた本に詳しく述べられているが、人は人を2秒で判断する。そして、そのあと多少の時間をかけて、理由付けする。

そして、自分の場合、その理由付けする必要がたいしてないので、面接はほぼ5分で終わる。

それにスカイプ面接の場合、回線チェックのために、すべて自宅からスカイプをしてもらい、面接を行う。そのような隙ができやすい状況だと、よくその人の個性が出る。

思っきりラフな服装で挑む人や、ソファで寛ぎながら緊張感のかけらもなくこちらに話しかける人、逆光のために顔が真っ黒で全く見えない人、そんな人はすべて不合格だ。

2秒どころか1秒で不合格だ
(ちなみにフィリピン側から最終面接が回ってくる場合は、フィリピン側できちんとオリエンテーションをして、服装やバックグラウンドに映るものまでもチェックしているので、そんなことは起きない)

これはある意味、世界各国歩きまわったことによる副産物なのかもしれない。
旅をしていると、一瞬でその人がいい人か、悪い人か判断しないといけない。基本、ほとんどが悪い人なのだが、それでも中にはきらりと光る人もいるので、その判断はとても重要だ。

とくにインドやタイ、フィリピンなどのアジア、それに南米など、時には生命の危険も伴う判断がある。(南米は特に危険・・・・・タクシーの選択を誤るだけで命に関わるので)

それに比べたら、スカイプで面接して、彼らの履歴書を見ながら、彼らの素性を判断することなどは易しいものだ。個人的には、ブエノスアイレス在住のネイティブスピーカーは面白いバックグラウンドの人が多いので、面接するのもそれなりに楽しいということもある。

英語の先生としての優れたティーチングスキルというのも大事だが、結局のところ本人に魅力がないと話す気にもなれない。その点、フィリピン人も含めて、オモローな人が多いのがうちのいいところだと思う。

これからも5分面接で、優れた人たちを発掘していきたい。

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2014年1月20日 (月)

川の流れのように:ブエノスアイレス

今日はブエノスアイレス在住の先生たちを自宅に集めて、話す予定だった。
しかし、何人かの先生は都合が合わず、またテリー先生はせっかくうちまで来たので呼び鈴が壊れていたせいで、会えずじまいだった。 
(ちなみに携帯を持っていないらしい・・・なぜだ)

よって、結局スティーブ先生とガブリエル先生のみの参加となってしまった。
(それにしてもテリー先生の写真は撮りたかった・・・・メキシコシティに行くまでには撮らねば)

ガブリエル先生とは写真を撮る約束をしていたので、サイト用の写真を撮った。

BEFORE

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AFTER

Gabrielle01blog

別人か・・・・

前の写真は本人が送ってきた写真だが、自分のルックスに自覚があるのだろうか。せっかくの美人が台無しだ。実際会った時も、写真とあまりに違ったので、本人と分からなかったぐらいだ。

そして、せっかくなのでスティーブ先生の写真も撮った。

BEFORE

Photo

AFTER

Steve0001blog

3割増しほど男前に撮れている。

ほかの先生の写真も撮らないとは思っているが、果たしてそのような機会がまた訪れるか心配だ。

日曜日の午後に会ったので、みんなでビールを飲みながら、唐揚げをつまみつつ、ブエノスアイレスや仕事のことに話に花が咲いた。

とくにこのアルゼンチンという国の特殊性に関しては、みんな疑問に思うことが多いので、色々と共有出来た。それでも、なんだかんだいってみんなこの国が好きだから、滞在しているわけだが、共通した認識としては「一生、ここにはいたくない」ということだろう。

世界一の経済大国アメリカと世界一暮らしやすい国オーストラリアから来た人たちだから、ある意味当然の意見だと思う。

よくよく考えてみれば、思いつきでブエノスアイレスに来て、さらにまた思いつきでブエノスアイレス在住の先生を雇用するようにならなければ、縁がなかった人たちだ。

それを考えると、とても不思議だ。
人生、意外となるように成っていると思う。

ブエノスアイレスに来なければ、ワンズワードもこれほど多彩な先生たちを雇用することもなかったはずだし、今後の展開もまた全く違ったものになっていただろう。

ブエノスアイレスとの出会いはある意味、運命的な出会いだったのかもしれない。
と勝手にこじつけて、自分の行動を正当化しているだけなのだが・・・・・

だから人生は面白い。
これからも自分の思いつくまま行動して、その結果を楽しんでいきたい。

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2014年1月19日 (日)

タンゴの国からサルサの国に思いを馳せる

近頃は真夏にも関わらず、すっかり気温が低くなって過ごしやすいと思っていたが、また酷暑に戻り、今日は気温35度の灼熱のブエノスアイレスだ。

各所で停電も続いているようだが、今のところ自分の住んでいるエリアは大丈夫だ。ただ来週からは雨が続くらしく、また気温も下がるだろう。

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翻って、メキシコシティの気候を考えてみる。

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一年間、見事に代わり映えしないの気候だ。7月から9月までは本当に毎日雨が降るので、それだけが悩みの種だ。基本、常に長袖で一年中過ごせる。

ブエノスアイレスに夏はよく似合う。
冬も真っ青な空が広がっているので、気持ちがいいが、夏の青い空は格別だ。南半球の空は、北半球の空よりは雲が少ないような気がする。気のせいだろうか。

タンゴ馬鹿の外国人だけではなく、普通の外国人もなんとなく惹きつける魅力が確かにこの街にはある。街自体の魅力だけならば、メキシコシティよりもある。

ただビジネスチャンスや友達とのいい出会いを考えると、メキシコシティのほうが断然いいとは思う。メキシコシティでは黙っていても、ひっきりなしにメキシコ人から色々な催し物に誘われるが、ブエノスアイレスではそんなことはない。

ただ2、3ヶ月住むだけならばなんのストレスもなく快適に過ごせる街だ。
それを2年も3年も続けると、色々と限界が見えてくるのも事実だが。

メキシコシティで苦労して、メキシコ訛りのスペイン語を話すようになったのに、ブエノスアイレスに戻って2ヶ月、もうすっかりアルゼンチン訛りのスペイン語に戻ってしまった。さすがに2年も親しんだ訛りのなので、こちらのほうが話しやすいということもある。

そのせいか、よく「ブエノスアイレスに住んでいるのか?」と訊かれる。
答えるのは難しい。

厳密には住んでいないし、また厳密に言うと、どこにも住んではいないことになる。メキシコシティに住んでいるとも言えないし、ブエノスアイレスに住んでいるとも言えない。ましては日本には全く住んでいない。

この1年はこのライフスタイルでいこうかと思っている。

去年、世界一周してみて思ったが、やはり自分は全く観光に興味はないし、その土地にしばらく居て、現地の人々と交流することが一番楽しい。その意味ではメキシコシティの滞在は大成功だったし、2年に及んだブエノスアイレスの生活にもある程度満足している。

去年までは、メキシコなんて「マスクを被ったプロレスラーがいる国」程度の認識だった。それがいまやメキシコと聞くだけで少し懐かしくなる。そこで会った人々の顔や思い出が次々と頭に浮かんでくる。

このあいだブエノスアイレスでタクシーに乗ったら、ひょんなことから運転手がメキシコシティに5年住んでいたことが判明して、話が盛り上がった。

「あの国はほんといつでもサルサ踊っているよな」
「アルゼンチンではシーフードは高いけど、メキシコはほんと安くてうまいシーフードが多い」

などとメキシコ話に話が咲いた。

タンゴの国にいて、サルサの国に思いを馳せるのはなんだか不思議な感じだ。
いずれにせよ、ラテンの国では人々はいつも踊っている。

あと2週間もすればまたサルサの国に逆戻りだが、それまでは目一杯タンゴを満喫しておこうと思っている。

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2014年1月12日 (日)

世界の仕事のあり方についてブエノスアイレスで想う

最近、毎日セルゲイさんとやりとりをしている。

セルゲイさんはアメリカの開発会社の人なのだが、ブエノスアイレス時間の朝でも夜中でも常にメールやスカイプチャットを送ってくる。

ついでに土曜日でも日曜日でも連絡は来る。
いつこの人は寝ているのだろうか?

エンジニアという業種の人たちは万国共通、一日20時間働くものなのだろうかと、ふとブエノスアイレスの夜空を見ながら思う。

セルゲイさんの会社はもしかしたら、全員セルゲイと名乗って、交替制で働いているのかもしれない。

このあいだ、時間を決めてスカイプしようとなったので、いよいよ「生セルゲイ」を拝めるかと思ったら、チャットだった・・・・・たしかに、話すよりも無駄な時間が少ないし、すべて履歴に残るのでうまいやり方だとは思う。

日本人はすぐにミーティングをしたがるし、スカイプといえば「対面で話す」ことが基本だ。だが、効率を考えると、チャットで話したほうが要件はあっという間に片付く。

毎週、フィリピンとスカイプで話すが、とりあえずは天気の話題から入ったりするけど、チャットにはそんなものは必要ない。要件のみだ。

ただ個人的にはこういうビジネスライクな感じは好きだ。
日本の会社相手だとまずは、会って話して、その担当の人に気に入られないと先には進まない。まったく可視化されていない世界だ。

すべてはブラックボックス化されている。
大事はなことはすべてゴルフ場で決まられていると言われる魑魅魍魎が跋扈する世界だ。

きっと世界では、大事なことはすべてスカイプチャットで決められているのかもしれない。
あとでどんなに言い訳しても履歴は残るし、証拠になる。ビジネスの世界ではそれは重要だ。

そもそもセルゲイさんは何人なのだろうか?
勝手にアメリカの開発会社に勤めるロシア系アメリカ人というイメージを抱いているが、「なにじん?」という基本的な質問すらしない、ビジネスに特化している関係だ。

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(ロシア人、セルゲイで検索したらこんなイメージにぶち当たった。音楽家らしい・・・・)

メキシコにいようが、ブエノスアイレスにいようがアメリカの開発会社のセルゲイさんと仕事が出来るなんて、便利な世の中になったと思う。(もちろん、一度も会ったことないし、会うこともないだろう)

セルゲイさん、日曜日くらい休めばいいのにと気怠いブエノスアイレスの午後の日差しを浴びながら、そう想う。

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2014年1月 8日 (水)

偉人への道:タンゴマスターになるために

年が変わろうとも、いまだ停電を繰り返すブエノスアイレス・・・そして、雷雨、酷暑と目まぐるしく天気が変わっている。

そこでふと思ったのだが、何事も極めた人というのは、いつまでも謙虚だなということだ。

半年ほど前にマイアミにいたときに、タンゴを踊りに行ったのだが、そのときにたまたま踊った女性が「この人、なかなかうまいな」と思い、けっこう仲良くなり、それから彼女に色々なミロンガ(タンゴを踊る場所)に連れていってもらった。

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(右側の女性が、その人エリンさんです。左側は妹さんです。ちなみに違う日にお父さん参加で食事をしたのですが、全員ビガン(ストイックなベジタリアン)でした。食うのに困るだろうな・・・・)

で、あとから知ったのだが、彼女は2009年のタンゴステージ部門の全米チャンピオンだったのです。

チャ、チャンピオンってと思いエリンさんに訊いたら、「そうそう、たまたまね」みたいな軽い感じだった。子供の頃からクラシックバレエを習い、プロを目指していたので、それに比べればタンゴなんてたいしたことないという感覚なのかもしれない。
(言ってしまえば80歳のおじいちゃんやおばあちゃんでも踊れる踊りなので・・・もちろん、クラシックバレエとは違う意味で難易度は高いですが)

チャンピオンは謙虚だなと思った。

これはどの世界にも言えると思う。
その道のエキスパートの人たちはたいてい感じがよく、中途半端な人ほど感じが悪い。

きっと、何かを極める過程でそれがどんなに大変なことか理解しているので、他の人に少しでも努力の痕跡が見えると許容できるのだろう。それに自分基準で相手を判断すると、すべての人が劣ってしまうことになるので、それはそれでつまらないということもある。

何事に大しても極める必要はないが、ただその感覚は大事にしたいと思う。
英語でもスペイン語でも、それにタンゴでもテニスでも、上には常に上がいるし、そして彼らはみな謙虚だ。むしろ、自分自身に対して謙虚にならないと、何事も極められない。

特に語学なんて、毎日こつこつと勉強しないと上達しないし、またやってもやってもキリがないことも確かだ。だが、謙虚に何事も取り組めば、いつかは日の目を見ることが出来る。

自分のケースで言えば、タンゴを始めた頃はリズム感などほとんどなく、ステップどころかずっとリズム感を養う練習をしていたのに、今では全米チャンピオンと踊っても仲良くなれるくらいにはなった。
(これはもしかしたら、自分の人生のなかで最も大きい下克上だったかもしれない・・・・・)

これからも謙虚に仕事に、趣味に取り組み、さらなる上達を目指し、ちょっとづつ極めていきたいと思っている。

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2013年12月26日 (木)

物静かなクリスマスのブエノスアイレスにて

ブエノスアイレスは今日は12月25日、クリスマスだ。
家の周りのスーパーやレストランはすべて閉まっており、人通りもまばらだ。

海外でクリスマスと言うと、なんだかロマンチックのような気がするが、実際はロマンもくそもなく、食料の調達さえままならない厄介な日にしか過ぎない。

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それにブエノスアイレス39度。
外に出る気が起きない気温だ。こんな日は家に閉じこもって、海外ドラマでも一気に見るのが適している。

年末は日本のほうが色々な行事があって楽しいのかもしれないが、ふらっと帰るには遠すぎるので、また来年桜が咲く頃に一時帰国をしようかと思っている。

フィリピンでもクリスマスは一大行事で、9月から準備を始めて、なぜか2月くらいはまで続くという。一年の半分はクリスマスを祝う不思議な国だ。

ブエノスアイレスは1月から本格的にバケーションに入るので、毎年12月に色々と問題が持ち上がる。バケーションに入る前にややこしいことは済ませておこうということなのだろう。

思えば2001年の財政破綻も12月だった。
「自分がバケーションにいきたいから、ややこしい問題はとっとと12月中に片付けよう」というおおざっぱな感じで、一気に財政破綻したのかもしれない。

「バケーションか、財政破綻か?」の二択なら、アルゼンチンの政治家の方々は自分のバケーションを優先するそんな国だ。(ぶっちゃけ富裕層は、財産がなくなるどころか財政破綻したあとに不動産屋を買い叩いて、大儲けしたらしいし・・・・日本の既得権層なんて、まだかわいいものだ)

ブエノスアイレス滞在もあと一ヶ月だ。
最近は毎日タンゴのクラスに通い、ミロンガへと繰り出して、タンゴの腕を磨いている・・・・・別にプロを目指すわけでも、死ぬほどタンゴ好きでもない。

「むしろ、そこにタンゴがあるから」という理由でタンゴを踊っているだけなのかしれない。タンゴのグループレッスンは1クラス500円程度なので、ブエノスアイレスではタンゴは金のかからない趣味といえる。メキシコではサルサを踊り、ブエノスアイレスではタンゴを踊る。

ごく自然の成り行きだ。

ブエノスアイレスで一番仲の良い友達のアメリカ人のマイクがアメリカに一時帰国したので、残された社交生活はタンゴしかない。家で仕事をし、息抜きにタンゴのクラスに行き、夜はミロンガへと行く。

まったく健全な生活を送っている。
そして、ついでに体重も4,5キロ落ちた。暑さのせいで食欲が湧かないのと、毎日運動しているからだろう。

30代もあと一年となったが、この10年近くでスペイン語、サルサ、テニス、それにタンゴと結構色々と身に着けてしまった。海外では趣味を通じて、人とよく知り合いになるし、仲良くなる。日本ではそんなことは一切教わらないが、言葉と同じくらい趣味は大事だ。

海外では言葉は出来て当たり前だが、それにプラスアルファがあるとぐっとその人たちに近づきやすくなる。30代、40代で戦略的にそういうことを身に付けておくと、そのあとの人生に幅が広がるのではないだろうか。

ブエノスアイレスでは80歳のおじいちゃんが、「ミロンゲーロ(ミロンガでタンゴを踊る人)」みたいな感じで尊敬されている。自分がよく行くミロンガでも一人80歳くらいのおじいちゃんが毎週来ていて、美女相手にタンゴを踊っている。

そんなおじいちゃんを見ていると、自分の人生は前途洋々に思える・・・・微妙か。

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(80歳まで行きたら、世界100周くらいはしているのだろうか・・・・応援よろしくお願いします)


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