世界征服サミット DAY1:World Domination Summit
今、アメリカのポートランドにいる。
世界征服サミットに参加するためだ。
今日と明日に渡り、錚々たるメンバーがプレゼンテーションを行うのだが、ひとつ残念なことがある。
このブログを書くために今日行われた素晴らしいプレゼンテーションのいくつかを紹介しようと、プレゼンした人たちの名前をググったら、あっさり彼らのプレゼンの動画が見つかり、それが今日話したこととほぼ全く同じだったことだ。
ひとつめは、Nancy Duarte によるプレゼンだ。
彼女が語るのは、どの素晴らしいプレゼンにも決まったパターンがあり、それが下記のパターンだ。
「What is(今のこの現実)」とそれに対して提示されるのが「What could be(もし、これが現実となれば)」という組み合わせであり、それが交互に提示されて、新しい現実を受け入れる聴衆の抵抗をどんどんと緩めていくというのがそのパターンだ。
そして、最後には今までなかった全く新しい概念を提示して、聴衆の記憶を釘付けにするというのが彼らのプレゼンの特徴だ。
その素晴らしいプレゼンの例として挙げられたのが、スティーブ・ジョブズ、ジーザス・クライスト、マーティー・ルーサ・キングJr、エビータの四人だ。(動画では、スティーブ・ジョブズとマーティー・ルーサ・キングJrの二人のみが紹介されています)
次に印象的だったのは中国人のJia Jiangのプレゼンだ。彼のプレゼンが終わった後は観客が総立ちになって拍手をして、大盛り上がりだった。
北京生まれの彼は、14歳の時に北京大学で講演したビル・ゲイツの話が忘れられず、その2年後にはアメリカの留学して、起業家になるためのスタートを切った。
しかし、紆余曲折を経て31歳になった彼はその頃の夢をすっかり忘れて、結婚し、家と車を手にれて、成功したサラリーマンとして生活をしていたが、子供が生まれる頃になって「おれの人生、このままでいいのか?」とふと疑問が湧いた。
彼の奥さんは「あなたの人生が不幸せならば、私の人生もそうよ。あなたに後悔のない人生を生きて欲しいから、子供の頃からの夢を実現させて」とアドバイスされ、子供が生まれる4日前に仕事を辞めて、起業家として挑戦することにした。
奥さんから起業家として活動できる期間として与えられた期間は6ヶ月。その期間内にうまくいかなければ、新しい仕事を探すという約束だった。4ヶ月が過ぎた頃に、投資家から融資が受けられる可能性が生まれ、それに期待していたが、結果は残念ながらNOだった。
そのショックがあまり大きくて、「こんな思いは二度としたくない!」と固く誓った彼は、人からは絶対に断られるような馬鹿らしいお願いをして、実際に断られて、それに対して抵抗力を強めようするなんとも馬鹿馬鹿しいプロジェクトを始めることにした。
パトカーが来れば、「あなたの代わりに運転していいですか?」と訊き、ドーナツ屋に行ったら、「スペシャルなドーナツが欲しい。例えば、オリンピックの五輪のような形の」というような馬鹿げたお願いをしたとのことだ。
Rejection Therapy: A Hundred Days of 'No'
最初の頃に散々断られた彼は、そんなアホなお願いをすることも板につき、だんだんとYESという人が増え、ちょっとした奇跡をおこした。
結局のところ、人から拒絶され、NOと言われようが、それはその人個人の意見であり、別にそんなことは実際にたいして重要ではないというのが彼のメッセージだ。(あと人はどんなに馬鹿らしいことでも、頼めばやってくれることが多々あるということだ。肝心なのは、「何かを頼む」ということであり、何もしないと何も始まらない)
今回参加してみて感じたのは、「アメリカって、やっぱすげえ!」ということだ。正直、アメリカをなめていた部分もある。アメリカ人のほとんどはとても保守的だし、外国になんて行ったことがない人が大半な内弁慶な人たちだ。
しかし、世界のトップを走っているのも彼らだ。そうして、このようなサミットで講演する人たちは、そのなかでも選りすぐりの人たちなわけで、講演の中身もすごいがプレゼンスキルが半端なく高い。
それだけでも、アメリカくんだりまで来た甲斐があったと思う。
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