ラテン流の財政破綻への処方箋:ブエノスアイレスより
夜のブエノスアイレスの街を歩いてみて、いつも「すごい活気」があると思う。
年間インフレ率は25%に到達し、生活をしていていても、日々日常品が値上がりしていくのを実感しているし、また「財政破綻」はいつ来るのかと人々は密やかに囁きあっているのが現状な国だ。
上記記事にあるように最近、アルゼンチンはスペインの石油会社が持っていた株を接収して、元国営だった石油会社を自分の元に取り戻した。
現大統領のクリスティナいわく「アルゼンチンはラテンアメリカで唯一、いや世界で唯一、自国の天然資源を管理していない国だ」とのことだ。
事情を知っている人ならば、「こいつ、あほか」と思うのだろう。そもそも経済破綻の危機にあった20年ほど前にほとんどの株を売っぱらって民営化したのは当のアルゼンチン政府だからだ。
また今年に入ってドル規制がすさまじく、外国人は家賃をドルで支払う必要にあるにもかかわらず、まともに買うのが非常に難しくなった。
アルゼンチンの食料自給率は200%を超えているので、何があっても食うには困らないし、天然資源も豊富なので、自給自足の生活が出来ることをいいことにどんどんと鎖国化が進んでいるように思える。
しかし!
である。ここの国の人たちはそんなこと関係ないとばかりに人生を謳歌している。「明日のことは明日決めればいいさ」とばかりに、銀行口座に1000円しかないというアルゼンチン女性37歳(ロレーナ先生)がいたり、アメリカ人とデートに行くのに100円しか持たないアルゼンチン男性27歳がいたりする。
日本でも財政破綻の危機が叫ばれ、「やれ、ギリシャのようになる」とか「いやいや、アルゼンチンのようになる」と言われているが、どちらの国もラテンであり陽気な人たちであることを忘れてはならない。自国が経済破綻しようが、鼻が利く人たちはとっとと自分の金は外国に持ち出すだろうし、破綻しようが槍が降ろうが、何食わぬ顔で生きていくだけの図太さが身に付いている。
ここの人たちを見ていると、「会社をクビになろうが、国が破綻しようが、個人単位できちんと責任を取って生活していればなんとかなる」のではと思う。もちろん、彼らの最大のせーフィーティネットの家族の存在を忘れてはならない。(最低でも週一回は家族と集まり、アサドと言われるバーベキューをするのがアルゼンチン人の常である。いざとなったら彼らを頼りにしようと思っている人たちは非常に多い。ちなみにスペイン語のレッスン中にママからの電話が何度もかかってくるのが当たり前です)
会社、国などと声高に叫ぶよりは、所詮は自分次第と割り切って考えていれば、人生それなりに身軽になり、より楽しくなるのではないだろうか。
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