英語の先にある未来:カウチサーフィンを通じて
うちにカウチサーフィンを利用して、居候(?)しているオランダ人ルーカスくん(23歳)の話を色々と聞いていると面白いなと思うことがけっこうある。
ルーカスくんの話では、オランダおよびヨーローッパ各国では交換留学が確立されており、どの国の大学に行っても単位も取れて、また学費も自分の国で納めておけば追加で費用がかかることもないという。
それを利用してルーカスくんはカリフォルニアの大学へと1年留学していたとのことだ。ご存知のようにアメリカの大学の学費はべらぼうに高いので、普通のヨーローッパ人が進学するには無理があるが、交換留学を利用すればたやすく出来てしまう。
そう考えると、ヨーローッパ人にとっては直接MITやスタンフォード大学に行くよりは、それらの大学と提携しているヨーローッパの大学に行ったほうが経済的利点が大きいのかもしれない。
そして、オランダでは古くから移民を受け入れており、近頃問題になっているのは、モロッコ系移民が暴力事件を起こし、その背景となっているのは、オランダで生まれ育った彼らはオランダ人としても正式に受け入れられず、またモロッコに行ったところでモロッコ人としては受け入れられないので、「アイデンティティの崩壊」を起こしているのも一因としてあるとのことだ。
日本ではさかんにグローバリゼーションや国際化が叫ばれている中、ヨーローッパの人々はそれらが進みすぎて、現状直面している問題が多々あるらしい。
今、日本でもしきりに「英語公用語化」やとにかくアジアへと進出するのが成功への近道と言われてはいる。だが、その先には一体何があるのだろう?
あまりにも性急に事を急ぎすぎると、結局のところ百害あって一利なしという状況になりかねない。
時々、彼らは英語が話せるようになって何をしたいのだろうと思うことがある。英語は勉強するためにあるのではなく、あくまで話すため、外国人とコミュケーションを取るためにある。そして、その前提となるのが違う文化への理解と、自分と他人に横たわる絶対的な深淵を認めることだ。(大げさだけど)
英語は出来ることに越したことないけど、コミュケーション能力が高いほうが、英語の運用能力が高いより価値がある。世界中にコミュケーション能力が高い人が溢れるほうが、英語の運用能力が高い人が増えるよりは、絶対に平和で豊かな社会になる。(アメリカ人が外国に行くたびに戦争を起こしているのも示唆的だ)
もしかしたら、より多くの日本人が英語を学ぶメリットは、「言わなくても分かるよね?」的な常識が世界では非常識であり、全く通用しないことを潔く認め、他人は自分と違うことを認める多様な価値観を容認できる豊かな社会を目指す一歩となり得ることなのかもしれない。
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