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2011年8月22日 (月)

ブエノスアイレスの世界で二番目に美しい本屋で考えたこと

本屋というものは、自分にとってはとても神聖な場所だったし、今でも「本を読む」という行為はとても神聖なことだ。

Ateneo20110822_2

今日は「世界で二番目に美しい本屋(英国ガーディアン紙調べ)」に行ってきた。

Ateneo20110822_2_2

元は劇場だった場所を本屋に改築したとのことで、非常に壮麗な建物だった。ただふと思ったのだが、自分たちの孫、あるいはもっとその後の世代に「本屋」という場所はまだ残っているのだろうか?電子書籍が紙媒体に取って代わることはすでに自明の理だが、それでも「本を読む」という行為が以前と同じように神聖な行為であり続けることが出来るのかふと疑問に思った。

FACEBOOKやスカイプのチャットをしながら「この古いロシアの作家、まじ訳わかんねー」とか言いながらドストエフスキーやトルストイを読んでも、自分たちと同じようにその経験が彼らの心に沁みわたるのだろうか?

「本を読む」という行為はとてもプライベートなことなので、それが新しいメディアによって台なしにされないか少し心配になった。

あと10年もしたら「まだ紙の本なんか読んでるの?ださっ!」と言われるかもしれないが、それでも手に入る限りなるべく本は紙で読みたいと思っている。


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ブエノスアイレス」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
アゴラでブログを読んで以来、拝見しています。

ただ、管理人さんのような大胆な生き方は出来ない自分ですが、元気をもらっています。
ブログのrssからリンクさせていただきました。

投稿: ASくん | 2011年8月22日 (月) 14時49分

AS400様、貴HPでご紹介いただき、ありがとうございます。どうりで最近アクセス数があがったのですね。では、今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: ユウキ | 2011年8月22日 (月) 21時51分

アゴラで拝見して以来、あなたのバランスの取れた考え方に深く共感しています。

今回のトピックに対する危惧もよく分かります。
私も作家を志すものであり、常日頃考えていることです。読書の神聖さと祈りの神聖さが近いのは、孤独の中にある対話性にあるような気がしています。あなたが紙という媒体にこだわるのも、このことと関係しているのではないでしょうか?

私はソーシャルネットワークなどで安易に他人と繋がりたがる風潮を危惧しています。独りであれこれと考えるよりも、他人に同調した方が遥かに気持ちがよく後腐れもありません。要は楽なのです。そうした人たちは本を手に取ることなく、Twitterでつぶやき、Facebookで共感する感情を探すことでしょう。いわば感情の爆発的な連鎖が可能となり、今年の「エジプト革命」や「イギリス暴動」などの引き金となっているようにも思います。感情が群集という力を得たとき、争いは容易に戦争というレベルに発展します。現在はまだ「内乱」レベルですが、これは非常に恐ろしいことです。

感情はまた言葉というものを軽くします。人間が他人とコミュニケーションをとるには言葉しかないにもかかわらず、安易に言葉を発信できてしまうことで逆に言葉に対する不信感を増長し、感情優位の状況を作り上げてしまっているようにも思います。

ソーシャルネットワークというシステムは個人に力を与えることに成功しましたが、逆に個人をそのシステムに組み込んでしまう力も持っているのだと思います。「紙の本」というスタンドアロン・モジュールは、その力に対抗する力を与えてくれる最後の砦となるものだと考えています。

最後になりましたが、今後もあなたの発信を楽しみにしています。

投稿: リョウ | 2011年8月23日 (火) 02時16分

初めまして。現在香港に住んでいる日本人女性です。
来月ブエノスアイレスに休暇で訪れる予定なので、こちらのブログをたまに拝見させていただいております。
本屋!素敵ですねー。絶対に行く予定です。ガーディアンの記事もちらっと見ましたが京都の本屋さんが入っているのですね。
私はロンドンに住んでいたことがあるのですが、建築も含めてお気に入りなのがマリルボーンハイストリートにあるドーンズ、とロンドン大学近くのWaterstoneです。あとチャリングクロスのFoylesも好きだったなぁ。。。
私も電子書籍は便利でエコで賛成なんですが、父親とか兄弟の書棚にある本を読んだり、とか、両親から本を譲られるっていう本当に大切な読書体験が失われるような気がして紙媒体の衰退はとても寂しいことだとも思っています。「悲しみよこんにちわ」も太宰治もそんな風に出会った本なので・・・。あと個人的にねっころがってページをめくる行為が好きなのでやっぱり紙の媒体はどうしても残っていってほしいなぁ・・・と思っています。
?ということは図書館ってものは今後どうなるんだろう???

投稿: mariko | 2011年8月23日 (火) 12時18分

りょう様、コメントありがとうございます。

ご指摘のとおり、ソーシャルメディアが発展した功罪として、「情報量の圧倒的な増加」が挙げられます。ゴミのような情報のなかで、いかに有益な情報を紡ぐ出していくかが今度の課題かと思っています。

ただソーシャルメディアもツールとしては非常に有用ですので、それを活用することによって、今回のように全く面識のない者どうしが、こうして意見を交わすことが可能となります。

りょう様にとって有益な意見や情報を今後も提供できればと思っております。

投稿: ユウキ | 2011年8月23日 (火) 13時13分

mariko様、コメントありがとうございます。たしかに京都出身なだけに、京都の本屋は気になりました。記憶ではそんな素敵な本屋はそれほど多くなかった気が・・・・・ひとつ「記憶術」という6000円くらいするマニアックな本を買ったところが思い出されます。

Waterstoneなど、ロンドンの本屋も好きです。PHOTOGRAPHER'S GALLERYの本屋はよく通っていました。

ブエノスアイレス、ぜひお越しください。9月くらいには少しは暖かくなっているかと思います。

サガンはいいですね、親が買った新刊をまだ持っています。図書館・・・電子書籍化されるのではと思っています。

投稿: ユウキ | 2011年8月23日 (火) 13時21分

こんにちは!お返事ありがとうございます。
私もPHOTOGRAPHER'S GALLERYは大好きでした!特にカフェが・・・。ロンドンはアート好きにはたまらん都市でしたね。その点香港は・・・。。。

ところで私がブエノスアイレスに興味を持つようになったのは、タンゴでもワインでもサッカーでもなく「ブエノスアイレスの夜」という映画を観て、奇麗な街!行ってみたい、と思ったのがきっかけです。映画自体は・・・まあそれほど面白いものではなかったのですが・・・。
昨年観て大変面白かった「瞳の奥の秘密」もブエノスが舞台でしたので、これは行かねば!と思い彼(イギリス人)と季節を選んで待っていたのですが、、、少し前に彼がフォークランド諸島についてアルゼンチンが不穏な動きをしている、とか言い出して「やっぱり行きたくない。」とか言い出したのでもめたんですが、やっと来月行ける事になりました。
アルゼンチンでは反英感情というのは目だってあるものなんでしょうか?
まあ、いずれにしてもカフェ好きな私には楽しみです!!!
返答ありがとうございました。

投稿: Mariko | 2011年8月24日 (水) 14時42分

mariko様、コメントありがとうございます。反英感情などは特にないかと。あの戦争もアルゼンチンの勝手な理由で起こしたものですし。

どの国でもそうですが、個人的に付き合えば、そんなにひどい人種差別的な感情を持つ人はいないのではと思っています。

カフェはたくさんあるので、カフェ好き、雑貨好きにはたまらん街かもですね。

投稿: ユウキ | 2011年8月24日 (水) 19時42分

こんにちは。↑こちらにコメントしたものです。
先週10日間のブエノスアイレスでのホリデーから帰ってきました。いまだに時差ぼけ・・・。アメリカ経由で行ったのですが、いやー、あの長旅はきつかったです。でもブエノスアイレスでの滞在は本当に楽しめて、長時間かけて行ったかいがありました。
カフェもたくさん行きましたよ。というかカフェと観光と肉!!!って旅でしたね。笑
ところでこの本屋さんにも行ってきました。こちらの写真の通り、壮麗で豪華でしたね。本当に贅沢な造りだと思いました。教えていただいて良かったです。
ブエノスは美しい場所もあり、そうでない場所もあり、様々な顔を見せてくれる素敵な街でした。あの区画整理の規模は圧倒でしたね!ちなみに帰りが夜発の便だったのですが、上空から観たブエノスの夜景は・・・ちょっとこの世のものとも思えないくらいある意味非現実的なくらい美しかったです・・・。
住んでみたい、とまで思いましたし、スペイン語も・・・昔挫折したので・・・のんびり勉強しようかな、、、と思っています。
更新楽しみにしています。それでは!

投稿: Mariko | 2011年9月28日 (水) 14時14分

MARIKO様、コメントありがとうございます。

ブエノスアイレス滞在がとても楽しいものになったようで、嬉しく思っています。

なかなか癖のある街ですので、通好みな街ですが、生活する分には刺激的なので中々飽きません。

サンティアゴ行きの飛行機も深夜便だったのですが、ご指摘のとおり、壮大な夜景でした。とても感動しました。

ブエノスアイレスはこれからどんどん変わる街ですので、再訪される機会があればぜひご連絡ください。肉以外のおいしいものでもごちそうします(笑)

では、今後とも宜しくお願いいたします。

投稿: ユウキ | 2011年9月29日 (木) 02時48分

こんにちは。
お返事ありがとうございます。そうですね。あの夜景は・・・すごかったですね。
南半球は初だったのですが、一個の映画がきっかけで、ずーっと行きたいと思っていて、結果行って本当によかったと思っています。南半球・・・地球は広いなーと思いました。

遠いので次、があるかどうかは未定なのですが、もしあればよろしくお願いいたします。 笑

では!
追伸)しかし何であんなに道路が穴だらけなんでしょう?予算が無くて直せないとか?
彼と二人で「これは子供とか危ない、命にかかわる。」って心配していたのですが・・・。

投稿: Mariko | 2011年9月30日 (金) 14時48分

Mariko様、コメントありがとうございます。

今、チリのサンティアゴに来ていますが、ブエノスアイレスに半年住んだ後にこちらへ来ると「道路に犬の糞はなく、道にゴミもなく、完全に舗装された道路に驚愕」する日々です。

ブエノスアイレスのインフラは発展途上国のまさにそれですね。

ただそれを差し引いても魅力的な街であることは確かです・・・・もっと政府関係者および土方の人達に頑張ってもらいものです。
(建築中のビルの足場などを見ると、彼らのずさんさが見に染みます・・・)

次回はチリもオススメです。

投稿: ユウキ | 2011年9月30日 (金) 22時33分

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