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2011年1月15日 (土)

映画:エリックを探して

イギリスの2大巨匠の一人、ケン・ローチ監督の「エリックを探して」を観に行った。
(ちなみにもう一人の映画監督は「秘密と嘘」を撮ったマイク・リー監督です。愛だの恋だのが好きな人は必見の映画です)

ケン・ローチ監督の映画を初めて見たのはスコットランド留学中に、友人たちとスペインのマドリッドに行ったとき、たまたま映画館で上映していた「レディバード・レディバード」という映画を見たのが初めてだった。この映画はもう本当に気が滅入る映画で、なにがいいのかさっぱり分からなかったが翌年のエディンバラ映画祭でケン・ローチ監督の「大地と自由」という映画がオープニング映画として上映されたのを見て、完全に心を奪われた。

それからというもの彼は僕の心のなかの「映画の巨匠」として君臨しており、新しい映画が上映するたびに観ている。

イギリス社会は「蛙の子は蛙」という言葉どおり、労働者階級に生まれたら音楽かフットボールで成功しない限り、社会的な成功を望めない。だからこそ、音楽もフットボールも世界に通用するような良質なものが生まれ続けるのだろう。彼らにはそれしか這い上がる道がないのだから、Jポップの人たちみたいに「お父さん、お母さんありがとう!」みたいな気の抜けた詩を書いている輩とは、志が違う。

ケン・ローチは一貫して、その労働者階級のやるせない思いを描き続け、初期の頃の映画は本当に救いもなく、ひたすら暗い作風だったが、「大地と自由」の頃から多少救いのある映画を撮り始め、本作「エリックを探して」ではユーモアさえ交えて、彼らの厳しい環境からの「救い」を描いている。

人はどのような境遇にあろうとも、クリエイティブな気持ちを失わない限り、どこかに救いがある。そんな気持ちにさせられる映画だ。

一緒に観に行った友人は「映画じゃなくて、現実みたい」と言ってお気に召さなかったが、ハリウッド映画に食傷気味な人、違う国の違う社会に興味のある方は必見の映画です。

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