知っていることと実際に体験することの違い
日本に招待したJOY先生が無事帰国の途についた。
滞在期間中は毎日のスケジュールがぎっしりで、さすがに最終日は疲れた様子が伺えたが、それでも充実した毎日を過ごせて嬉しそうだった。
勉強熱心の彼女は日本人に英語を教えることになってから、その文化や慣習をきちんと勉強しており、政治や経済に関しても情報収集を怠らなかった。
(日本の歴代の首相を言える外国人の英語の先生なんて、そうそういない)
そんな彼女でも実際に日本に来てみたら、色々と思うところがあったとのことだ。
特に彼女が舌を巻いたのは、あらゆるサービスのクオリティの高さだ。ディズニーランド、デパート、カフェ、レストラン、旅館、各種交通機関にいたるまで、すべてのサービスのクオリティは均一で高いレベルを維持している。
そして賢い彼女はそれが「他人の目」によることが大きいことも見抜いている。
日本人は一人でいる時でも、常に他人(クライアント、上司、あるいは同僚)の目を意識し、設定された基準をクリアするようにある意味しつけられている。
それにまた、その基準を超えて「より良いもの」を作り上げることにとても喜びを感じるのだ。
と同時に「言わなくても分かるでしょ」的な雰囲気が蔓延し、それが日本社会に閉塞感をもたらしていることも事実だ。この考え方は、「何をどのようにして結果を出すか」という実際的なことを考える人よりも、ただひたすら具体的にはよく分からない「より良いもの」を目指して盲目的に頑張る人の量産につながる。
このようなことは実際に日本に来ないと、分からないことだっただろう。
彼女の個人的な成長にとって、今回の滞在はとても役に立ったと思う。
僕が彼女を日本に呼んだ目的は二つあり、一つはスカイプを通じてしか知らない自分の生徒さんとリアルに会う機会を創出することと、二つ目は実際に「日本」を体験してもらうことだ。その結果、彼女自身が成長すれば、今後それはワンズワードを成長させるための大きな糧となるだろう。
本当に大切なものは目に見えないものであり、それが最終的に物事の方向性を決定付ける。今回の滞在が今後の彼女の人生にどう影響するかは分からないが、それが実りある結果をもたらす一助となればいいと願っている。
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