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2010年5月25日 (火)

語学学習におけるメタ認知の重要性

以前、とある地方の学会で関西大学の竹内理先生が講演されたときに、「語学を学習する上で最も重要な要素は?」という質問を受けたとき、「一番は本人のモチベーションだが、それは研究のテーマとしてあまりに不明確なので、次に重要となるメタ認知を研究している」とお答えになったことが印象に残った。

メタ認知は一般的に聞き慣れない言葉だが、教育界では非常に注目された研究テーマである。

メタ認知とは、ウキペディアによると「Knowing about knowing.(知っているということを知っている)」ということだが、もっと分かりやすくいうといかに自分自身の能力を客観視して、プランを立てて対処する能力があるかということだ。

だからこそ、ワンズワードオンラインでは「今週の目標」と「学習履歴」機能、それに自分自身の英語力を自己評価できるマイポートフォリオという機能を付けている。

ただおそらく、これの使用率は著しく低いだろう。理由はおそらくメタ認知の重要性などそれほど認知されていないし、単純に記録を付けるのは面倒くさいということもある。

下記はウキペディアによるメタ認知能力を測る指標だが、これにすべて「はい」と答えられる人は成功した英語学習者になることは明白だ。

  1. 自分が用いる方法がどのような問題解決のときに、最も効果的なのかを知っている
  2. どのようなやり方が有効か、十分考えてから課題に取り組む
  3. 問題の中の重要な部分に意識的に注意を向けている
  4. 自分がどの程度よく理解できているかについてうまく判断できる
  5. 問題が解けたとき、自分がどういう方法を用いたかわかっている
  6. 問題に取り組んでいるときに、うまくいっているかどうか、定期的に自分でチェックしている
  7. 勉強するときは、その目的に合わせてやり方を変える
  8. 勉強したり課題を行うときには、計画を立てる
  9. 考えが混乱したときには、立ち止まり、もとに戻って考えてみる

勝間和代さんじゃあるまいし、上記にすべて当てはまる人などそうそういない。だからこそ、事前に用意されたマイポートフォリオのような仕組みを使って、計画的に学習に取り組むことが重要なのだ。

語学学習を通じて、メタ認知能力が高まれば、社会的にも成功する確率は著しく高まる。自己を向上するうえで重要なのは、「自分が間違っている可能性」を常に意識し、自己チェックを怠らないことだろう。努力というフィルターは間違いや失敗を覆い隠すことが多々ある。だが、ここはひとつ謙虚になって自分が間違っていることを認めれば、自分自身も楽になれるし向上する機会も得られる。

人生なんて所詮間違いだらけと割り切っていれば、意外と楽しく人生を送れるのではないだろうか。

(名著です。何度も読みました)

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